新型コロナ後遺症外来
<2022年7月28日発行の読売新聞に当院での新型コロナ感染症後遺症外来での取り組みについて取材記事の掲載が行われました。>
当院では未就学児も含め年齢を問わず、東京など四国外のご遠方の方まで新型コロナ感染症に罹患された後もなんらかの後遺症でお悩みの方のために新型コロナ後遺症外来を開設して治療を行なってきました。
治療方法は、療養解除からの時期によって異なります。
注)入院や自宅療養で急性期の新型コロナ感染症を治療中の方はこちらの専門外来には該当しないため治療に専念されてください。
療養解除後2週間〜3週以内であれば、まずは主にさまざまな漢方を駆使します。(錠剤もあります)
その治療で回復されたら治療は完了です。漢方はその方の体格やもともとの特性など多岐にわたることから最終的な処方を決定します。また、どんどん時間経過で必要な処方は変化していくため画一的な治療ではありません。(必要に応じて複数種を組み合わせます。)
☆それでも症状が続くようであれば、新型コロナによって強い炎症を起こした上咽頭に直接消炎治療(Bスポット療法)を開始することを検討します。Bスポット療法(最近はEATと呼ばれているようですが、当院は開院以来、さまざまな疾患の治療法の中心として乳幼児から90代のご高齢の方まで行ってきました。年齢を問わず、お気軽にご相談ください。)
なんらかのご事情で早期介入の時期を逸してしまった方でも最終的にはもとの生活に戻られています。
いずれにしても早期介入が有効であるため、お気軽に早めに当院までご相談ください。
ご自宅でできる後遺症対策としては、鼻うがい(可能な方の場合)を1日3回程度、市販のどこのメーカーのものでもよいので行うことと、胃酸による負担を減らすために、できるだけ食べた後に3時間程度横にならないように角度をつけて過ごすことです。
急性期の症状が落ち着いてからも、①倦怠感・疲労感が残る、②食欲が落ちて体重が減った、③頭がすっきりしない、④息が切れやすい、⑤においや味がわかりづらい、⑥学校や会社に行くことが困難になった⑦咳が長引くといった症状の方が多いですがその他にも症状の出方は患者さんにより実に様々です。
これらは上咽頭自体に自律神経が密集していることも関与しています。
上記のように、新型コロナ後遺症は"気のせい"というわけでは決してないため、どうか後遺症で悩まれている方やご心配されているご家族の方は、当院までお気軽にご相談ください。(後遺症で悩まれている方がもとの生活に戻れるようにすることもご本人やご家族にとっても大切なことだと考えています。体調がすぐれないと、こころにも影響を及ぼすため悩まれている方はお気軽にご相談ください。)
なおBスポット療法(最近はEATと呼ぶ方が増えてきました)については当院のBスポット療法のページをご参照ください。全国的にBスポット療法を行う施設は内科の先生も含め少し昔よりも増えてはきておりますが、各施設により対象年齢や方法は実に様々です。しかし大げさなことはなんらなく、上咽頭処置自体は戦前から耳鼻科で教育され、戦前や戦後間もない頃の日本では日常的に行われていた、なんのへんてつもない処置であるためお気軽にご相談ください。(戦後、上咽頭をBスポットと名付け1%塩化亜鉛を用いて国内に普及させ、膨大な研究を行われたのは国立東京医科歯科大教授の堀口申作(東大卒)医師です。)
当院では基本的に鼻の中自体にも処置を行い、その上でBスポットに鼻からと口から処置を行いますが、口からの処置が困難な方の場合には鼻からのみで当院独自に開発した綿棒と処置方法を行います。また年齢は生後間もない6ヶ月頃の乳幼児から90代の方まで行ってきました。医師が必要と判断しご希望される限り行いますが、希望されない場合には無理強いはしません。